中国で無人コンビニが急拡大している。無人コンビニをいち早く始めた米アマゾン・ドット・コムが多店舗展開にもたつく間に、中国では無人コンビニが乱立、燎原(りょうげん)の火のような勢いだ。しかし、中国で無人コンビニと騒がれている割に、日本から進出しているコンビニ大手は慌てて無人コンビニを増やす気配はなく冷静だ。中国のような無人コンビニブームは日本にも波及するのだろうか――。(流通ジャーナリスト 森山真二)
中国で注目されている
無人コンビニ
9月16日の日本経済新聞によると中国でのコンビニが10万店を突破したという。日本のコンビニ店舗数は5万7000店だから、約2倍の規模である。
人口が多いのだから、コンビニの店舗数が多くなるのは当たり前といえば当たり前だが、日本の大手コンビニチェーンによると「日本のコンビニのように店舗の標準化や、オペレーションが未整備のチェーンが多く、日本のようなコンビニとは違う。まだまだ“売店”に毛が生えたような店舗が多い」という。
しかし、そうした中でも昨年あたりから急速に注目されているのが無人コンビニだ。
中国では無人コンビニのスタートアップが雨後の筍(たけのこ)のように出現しているというが、小売りがよく分かっていなくて、ただ店舗ばかり増やしているようにしか思えない。かつて日本のコンビニも一時期そうだったが、いたずらに店舗数を増やせばいいというものでもないのである。
中国の無人コンビニで先行しているのが「ビンゴボックス」だ。半年で300店を出店し、業界を驚かせた。当初は1年間で無人店舗5000店を出店する計画だったというから、計画の遠大さになおさら驚きだ。