北米自由貿易協定(NAFTA)の改定を巡る協議が土壇場で妥結された。カナダやメキシコに工場を持つ海外の自動車メーカーに安心感を与える内容となったが、その一方で、部品の域内調達率や輸出制限に関する規定は、メーカーの事業運営を複雑にする可能性もある。米国とカナダは9月30日夜、NAFTAの改定案で合意に達した。ドナルド・トランプ米大統領が検討すると明言した自動車関税の影響を制限する規定も含まれている。外国の自動車メーカーはカナダやメキシコの工場に重点的に投資しており、最も売れ行きのよい車種の一部をそこで生産している。ドイツの自動車各社は過去10年間にメキシコと米国で数カ所の工場を稼働させた。フォルクスワーゲン(VW)はメキシコのプエブラに巨大工場があり、そこから「ビートル」や各種のセダンを米国に輸出している。VW傘下の高級車ブランド、アウディは2015年にプエブラ近郊の工場でスポーツタイプ多目的車(SUV)の生産を始めた。同工場で生産された車の半数近くは米国に輸出される。
NAFTA改定、日欧自動車メーカーへの影響は
トヨタや日産にはネックとなる規定も
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