チキンナゲットを印刷する機械、藻でできたエビもどき、果物を新鮮に保つコーティング。こうした発明――他にもまだまだある――は、私たちの食生活を一変させそうな技術革命の一部だ。食品業界は、より健康的な食材や産地に関する透明性、動物の扱いを改善するよう求める消費者から批判を浴びている。食料生産が環境に及ぼしかねない悪影響についての認識も広まっている。こうした中、大手食品メーカーや起業家は腰を上げ、ロボット技術やデータサイエンスの進歩に乗じようとしている。そうしたイノベーションに取り組む企業にベンチャーキャピタル(VC)が殺到していることもプラスだ。データ会社のピッチブックによると、食品技術に対する今年のベンチャー投資はこの10年で最高に達する勢いだ。その金額は9月半ばの時点で20億ドル(約2290億円)を超えていた。これに対し、16年と17年は通年で約15億ドルだった。