米トランプ政権は他国との通商交渉で攻勢を強めようとしている。カナダおよびメキシコとの新協定をひな型に、外国為替や労働市場から貿易相手国の対中ビジネスのあり方まで全てに関する規則を見直す構えだ。米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表は新たな北米自由貿易協定(NAFTA)での合意を、貿易相手国にとって厳しいメッセージとなる政策の「パラダイムシフトのモデル」と呼んだ。貿易相手国はそうした新しいアプローチがもたらす激しい交渉に向けて準備を進めている。米国は、自国政府が創設に貢献した世界貿易機関(WTO)と衝突することをさほど気に掛けなくなりそうだ。その代わり、世界貿易をゆがめている国々(当局者らの言う「非市場」経済国)に諸協定をもって挑むことに力を入れるだろう。