中国の広域経済圏構想「一帯一路」の陰で、パキスタンは一つの大きな問題に直面する。パキスタンはこれまで、中国が約70カ国のインフラ開発に数千億ドルを投じようとするこの構想の最大の受益者だった。だが中国から約620億ドル(約7兆円)相当の投資の約束を取りつけたにもかかわらず、パキスタンの総選挙後に樹立された新政権は、国際通貨基金(IMF)との協議を余儀なくされている。積み上がった債務の返済期限が迫る中、最終的に120億ドル規模の支援を要請する可能性がある。パキスタンが抱える問題は、一帯一路構想に寄せられてきた期待に影を落とす。この構想は、端的に言えば、新たな経済大国がその資金力に物言わせ、友好国や外交的影響力を手に入れようとするものだ。この先何年にもわたり、新興国市場全体が力強く成長するという夢を語る原動力となってきたが、その一方で、融資を中国企業の受注契約や雇用に結びつければ、中国の慢性的な過剰生産能力を軽減するのに役立つと考えられる。
中国の一帯一路、完成するのは「でこぼこ道」
パキスタンのIMF支援要請で浮き彫りに
有料会員限定
あなたにおすすめ