。そうではないし、それに近いものでもない。しかし、何か通常とは異なる不安な状況が金融市場で進行している。ダウ工業株30種平均は831ドル安となったが、この下げ幅はかつてとは意味合いが異なる。下落率は3.1%であり、これは1950年代以降では80番目の大きさに過ぎず、今年最大の下落率ですらない。しかし、他の金融資産の反応は注目に値する。株は投げ売りされたものの、金融市場全体としては、典型的な安全への逃避はなかった。今年に入って軟調が続いていた二つの安全資産、すなわち金と債券は10日、実質的に横ばいだったのだ。米国債は近年、まさに「緊急時にはガラス部分を割って使ってください」的な投資先だった。今年に入ってからの米国債の軟調(利回りの上昇)が、ついにリスク資産に打撃を与えた格好だ。2017年末以降、2年物米国債の利回りはほぼ1ポイント、10年債の利回りは0.8ポイント上昇した。株式市場が好調な中で、米国債が売られるというのは異常なことではない。
米株急落、過去とは違う金融市場の不安な動き
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