先月のインフレ率は過熱感を示さなかった。これを聞いて神経質な投資家も少しはほっとしただろうと思った人もいるかもしれない。だが、法則は変わった。米労働省が11日に発表した9月の消費者物価指数(CPI)は8月比0.1%の上昇だった。エコノミスト予想の0.2%上昇を下回り、前年同月比では2.3%の上昇となった。食品とエネルギーを除いたコア指数も前月比0.1%の上昇で、前年同月比は8月と同じ2.2%上昇だった。エコノミストはコア指数についてもわずかに上昇するとみていた。金利が上昇するという見通しを受けて金融市場が動揺し、10日には米株式市場が急落していただけに、そのニュースは歓迎されるはずだった。ところが。これには貿易摩擦、中国経済の減速が世界の需要に及ぼす影響をめぐる懸念などいくつかの要因が挙げられるが、米連邦準備制度理事会(FRB)は味方してくれないという認識が投資家に広まりつつあることも一因かもしれない。
米金融政策とインフレ率、FRBは投資家の味方か?
金融市場の脆弱性をもはやFRBは心配せず
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