最近何かと話題を振りまく電気自動車メーカーの雄、米テスラ。創業者のイーロン・マスクCEOが自社の株式非公開化についてツイッターで発表したことで、会長職から退く羽目に陥ったことは記憶に新しい。背景には、初めての量産車である「モデル3」を本当に「量産」に持っていくことへの重圧があるといわれている。
実は私はその「モデル3」を最近購入した。運転してみると、電気自動車特有の静かさやリニアな加速性能もさることながら、大きな操作画面でのスマートフォンを連想させるような操作感が新しい。いったん使い方に慣れれば、実に便利で快適だ。もう普通の車には戻れなくなるだろう。
しかし同時に、テスラの真の課題が見えたような気がした。
それは、その購買体験を含む顧客リレーションシップだ。
車という大きな買い物では、その購買体験も大事な要素だといわれる。ドイツ車や日本車のディーラーでは、過度な売り込みをせず、自由に試乗しながら、顧客が気持ちよく安心して車を選べるようになっている。一方で、テスラの購買体験は、それとは大きく違った。