10月は、残酷なまでの売りが株と債券の双方を襲った。強気相場の持続性と投資家の決意が試されている。S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズによると、10月に世界の株式市場からは時価総額5兆ドル(約565兆円)が吹き飛び、米国、欧州、アジア株は月間で、いずれも数年ぶりの大幅な下げとなっている。株安を巡る不安に拍車をかけたのが、異例にも同時進行で進んだ債券安だ。投資家はボラティリティーが高まると、米国債などに資金をシフトさせてきたが、株・債券のダブル安でこうした従来の投資手法が通用せず、多くの投資家が損失を負った。ピクテ・アセット・マネジメントの首席ストラテジスト、ルカ・パオリニ氏によると、株60%・債券40%の一般的な投資ポートフォリオは、10月に3.5%のマイナス、年初来でもマイナス1.5%となっている。年間の投資成績がマイナスとなったのは相場が荒れた1990、2001、2002年のみで、珍しいケースだという。債券投資を一段と重視する投資家でさえ、損失を免れられない。債券75%・株式25%のポートフォリオも月初来2%超、年初来で1.3%のマイナスだ。
異例の株・債券ダブル安、逃避先消滅でどうする?
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