6日の米中間選挙は投資家にとって余興にすぎなかった。だが一つ留意点があるとすれば、それは米政府が株高を演出しにくくなりそうなことだ。選挙結果は事前の世論調査の通りになった。民主党は下院で過半数を奪還したが、共和党は上院支配を維持した。世界の株式相場は上昇し、先物市場は米国株の高寄りを指し示した。ただ投資家は早合点しない方が良いだろう。貿易を巡る米中の応酬が経済に及ぼす影響は依然として予測しにくい。どちらにしても、議会が外交政策についてできることはあまりない。株式市場には新たなリスクが一つある。ねじれ議会は財政赤字を削減する方向に動く可能性が高いことだ。そう遠くない昔、多くのアナリストは、景気の長期拡大局面を経て2018年にリセッション(景気後退)が始まるとみていた。16年の大統領選後にトランプ氏が導入した大型減税が―――財政赤字は拡大したが――リセッションに陥らなかった理由かもしれない。