中国国債への外国人による投資が急増し、投資家と中国政府の双方にリスクをもたらしている。この2兆ドル規模の市場を政府は長年にわたって厳重に管理してきた。中国の国債市場は世界第2位の経済大国の借り入れコストを決定する一因となっている。その市場を支配しているのは現地の銀行、保険会社、証券会社などで、その大半は国営企業だ。過去には中国人民銀行(中央銀行)がより広範な市場を支えるために短期資金を注入したり、いわゆる窓口指導によって銀行に国債の売り買いを非公式に指示したりしてきた。資本の流出や貿易黒字の縮小に直面している中国政府は、今や外国の中央銀行や大学基金などにも門戸を開いている。人民元は2016年から国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨となっており、中国政府は市場へのアクセスを、まずは中国本土に取引口座を持つ投資家に、次に香港に取引口座を持つ投資家に対して拡大してきた。