世界で急増しているベジタリアン、ヴィーガンといった菜食主義者。彼らは和食が好きなのだが、オランダで開発されて話題になっているのがタピオカでんぷんと海藻グルコースからつくられた、サシミの”そっくりさん”だ。

ベジタリアン・ヴィーガンは
和食が好きという事実

でんぷんなど植物性原料から作られた刺身そっくりな食材
でんぷんなど植物性原料で再現された“刺身もどき”が欧州で話題になっている。磯の風味や、噛むうちに溶けるような食感などもよく再現されている(ヴィーガン・シースター「ノーサーモン・サシミ」公式YouTubeチャンネルより)

 2020年のオリンピックイヤーを待つまでもなく、インバウンド消費が賑わう日本。特に外食産業は今後も急成長が見込まれているが、そこにはいくつもの課題がある。たとえば、外国語対応やマナーの問題はもちろん、イスラム系観光客へのハラル対応なども必要とされている。
 
 ハラルの他に、菜食主義(ベジタリアン・ヴィーガン)も無視できない。動物愛護のため、環境問題への危惧、さらには健康のためまで、さまざまな理由から、菜食主義に転向する人が急増している。肉や魚を食べないベジタリアンや、さらに厳しく「動物からの搾取に貢献しない」という信念のために卵や動物の乳も口にしないヴィーガンは現在、世界で計4億人に迫るとされる。これはイスラム教人口の4分の1にあたる数字で、ANAやJALなどの日系の航空会社は数年前から、機内食に各段階のベジタリアン・ヴィーガンミールを用意している。

 特にそのトレンドをリードするのは、イタリア、イギリス、ドイツなど。これらの国々では、人口のおよそ10%前後が完全菜食主義者だが、そういった欧州のヴィーガンにとって身近な料理は、実は和食である。

 スーパーのベジタリアン用食材売り場には確実に豆腐やしょうゆ、海苔やわさびといった日本の食材が並んでいるし、イギリス発の和食チェーン「ワガママ」も「ワサビ」も、ベジタリアン・ヴィーガン用メニューを豊富に用意している。「和食」と「菜食主義」は、ヨーロッパでは大きくリンクしているのだ。