9月にロボットが侵入してきた。光沢のある高さ約90センチの円柱型ロボット2台が、高層ビルのエレベーターに乗って、デスクから離れられない社員のためにランチを運んでくる。子供だましのようにも見える。北京には、スマートフォンのアプリで注文すると、スクーターに乗って麺類やギョーザなどの昼食を配達する業者が山ほど存在する。とはいえ、筆者もこのロボットを試してみることにした。いつものようにスマホのアプリで注文。オフィス内では昼食のサラダをロボットに届けてもらうようリクエストした。すぐに、正解だったことが明らかになった。ロボットは感情が安定している。人間の配達人のように、いらいらしたり怒ったりすることはなく、行き方を尋ねてきて私の時間を無駄にすることもない。遅れたからといってロビーで待たされることもない。別の顧客の注文品を残したままスクーターを離れることができないといって、ビルの外まで出てきて受け取るよう頼んでくることもない。