これには現在のリチウムイオン電池の構造も関係している。現在は構造上電解質を含む“液系”リチウムイオン電池がEV蓄電池の主流だ。ただ、液系リチウムイオン電池は高温になると急速充電に対応できないこともあり、EVは電池パックの中に冷却ダクト・スペースを設けている。車種によっては、電池パック体積のうち電池部分は2割だけ、というものもあるようだ。発火や発煙の危険性や経年劣化、充電時間に時間がかかることも、EVの普及が進まない理由の1つだ。

 そうした背景から、現在急ピッチで開発が進む車載用新型電池の本命は「全固体リチウムイオン電池」(全固体電池)だ。これは、1980年に開発されたリチウムイオン電池の最終形態とも言えるもので、現在の液系よりも重量エネルギー密度が高く、熱にも低温にも強いのが特徴だ。

EVは劇的に性能が上がり
安価で手に入るクルマに

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が立ち上げたオールジャパンのプロジェクト「先進・革新蓄電池材料評価技術開発(第2期)」は、全固体電池の開発を中心にトヨタ自動車がリーダーとなって進める。NEDOでは全固体電池の量産時の実用化性能は、液系リチウムイオン電池に対して、電池パックの体積エネルギー密度は現行の3倍、コストと急速充電時間は3分の1を目標にしている。

 NEDO次世代電池・水素部 蓄電技術開発室の田所康樹主査は、「2025年には全固体電池を市場に投入したい」と話す。これが実現すれば、EVは劇的に性能が上がりつつ、安価で手に入るものになるだろう。

 今後EVがさらに身近なものになっていくと同時に、我々自身が再エネシフトの原動力となっていくのかもしれない。