さぞかしショックだったことだろう。日産自動車の新入社員や来年入社予定の大学生、大学院生は、カルロス・ゴーン氏逮捕の報をどう受け止めていいものやら、頭を抱えているはずだ。

 会社のトップに司直の手が入ったことは、企業にとって大変な不祥事である。日産自動車がこれまで築きあげてきたブランド力が傷つけられてしまった。だからといって、日産自動車の経営が危機に瀕したり、屋台骨が大きく揺らいだりするわけではないはずだ。同社は信頼回復に向けて、新しい体制のもとで動き出すだろう。

 不祥事を乗り越えて、将来どのように発展していくか。これは若手社員にかかっている。 

 日産自動車は学生にとって人気企業の一つである。就職者は、国立大学工学部や大学院工学系研究科の機械、電気系を専攻する優秀な学生が多い。スポーツカー「GT-R」、電気自動車「LEAF」にあこがれて、「技術の日産」に入社したエンジニアは少なくない。「マイナビ・日経2018年卒大学生就職企業人気ランキング」をみると、理系学科系統別ランキング(機械・電気・情報系)では23位だ。

 別表は、2018年の日産自動車就職者数を大学別に集計し、ランキングにまとめたもの(大学通信調べ。東京大は東京大学新聞、京都大は京都大学新聞から集計)。早稲田大、慶應義塾大や、旧帝大といわれる国立大学がズラリと並んでいる。

ゴーン逮捕に揺れる「日産自動車」2018年就職者の出身大学ランキング
データは、各大学発表による2018年の就職状況。東京大学は「東京大学新聞」、京都大学は「京都大学新聞」より集計。大学により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。*印は大学院修了者を含むことを表す(調査/大学通信) 拡大画像表示