米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した地区連銀景況報告(ベージュブック)によると、今秋の終わりにかけても大半の地区で経済活動が引き続き拡大した一方、労働市場の引き締まりが続き、賃金と物価は上昇した。全米12地区の経済情勢について11月26日以前に収集した事例報告をまとめた今回の報告によると、大半の地区で景気は緩やかないしまずまずのペースで拡大した。多くの地区の企業が、幅広い分野で労働市場が一段とひっ迫したと指摘した。一例として、シカゴ地区の複数の企業で、一部従業員が「事前報告も連絡方法の知らせもなく」辞めていった。米労働省が発表した直近の雇用統計によると、10月の雇用者数は25万人増加し、このところの市場の乱高下にもかかわらず、ここ数年の月間平均を上回る伸びとなった。失業率は49年ぶり低水準の3.7%にとどまった。