将軍家ゆかりのエリアの再開発
東京大本郷キャンパス、お茶の水大、東京医科歯科大といった国立難関校をはじめとした19もの大学・短大がある文京区。文字通り、区全体が「文教」地区のようなイメージである。
文京区の西半分を占める小石川エリアは進学熱が高い。東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅周辺では、国立大附属小のお受験に熱心な家庭がファミリータイプのマンション人気を支えている。
小石川三丁目には、徳川将軍家の菩提寺で、増上寺・寛永寺と共に「江戸の三霊山」と呼ばれた傳通院(でんづういん)がある。また、隣接する後楽一丁目には水戸徳川家の屋敷跡で、特別史跡と特別名勝に指定されている小石川後楽園が残るなど、江戸時代からの名所も多い。
都営三田線が地下を走る白山通りと、東京メトロ南北線「後楽園」駅が地下にあるえんま通り商店街に挟まれた小石川一丁目の一画、対象面積約2.4haという広大な「春日・後楽園駅前地区」で市街地再開発事業が進んでいる。
区画全部を更地にして再開発する例が多いが、ここのユニークな点は、住友不動産後楽園ビル(1998年竣工/20階建て)のような比較的新しく建てられたビルは残したまま、その周りの老朽化した建物を取り除いて工事を進めていることにある。