日本の漁業を取り巻く問題は資源枯渇だけではない。世界水準で見て非効率で不透明な生産と流通の在り方も、その競争力を大きく削ぎ取っている。
3年前の冷凍サンマが解凍後の日付で販売される裏事情

 平成も終わろうとする2018年、ある戦後の“遺産”が日本の漁業の中心で生き続けている。漁業者を大資本から解放する目的で、1949年につくられた法律、戦後漁業法だ。漁業の民主化による漁民の自主独立を目指したこの法律は、その後小さな改正はあったものの今でも基本は変わっていない。日本の漁業は漁業法の下、零細経営が温存され、効率性において諸外国に取り残されることとなった。