個人経営のままでは事業の拡大や効率化も難しい。「世界で高成長の養殖業ですら日本では生産量が減っているのは、日本の漁業が産業としての体を成していないから。家族を基本にした枠組みと人海戦術に頼り、投資や研究開発をせず規模の拡大ができない。さらに過疎化や高齢化で担い手がいないため、今後はますます生産量が減るだろう」と東京海洋大学の勝川俊雄准教授は指摘する。
非合理的な規制も生産性低下の一因となっている。水産資源の管理を、取る魚の量ではなく船の大きさを制限することで行っているため、大型船の建造が難しいのだ。