開成・麻布・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

ご褒美・インセンティブで頑張れる男の子

 困難で面倒な仕事を片づけているとき、「これが終わったらビールが飲める」をモチベーションにしている人は多いでしょう。連日のハードワークで疲労困憊なら、早く帰宅して眠ったほうがいいのに、飲みに行くという矛盾したことを私たちはやっています。

 やはり、人はご褒美が大好きなのです。大人ですらこうなのだから、子どもがご褒美なしに頑張れるはずがありません。実際、教育経済学の研究では、動機づけにおけるご褒美(インセンティブ)の有効性が証明されています。

 とくに、男の子は女の子よりも目に見える形でのご褒美をほしがります。ただ、それが大人から見ると「どうでもいいもの」であることが多いのです。

 女の子なら、かわいい筆箱やシャープペンシルなど、誰が見ても「これはいいよね」と思えるものをほしがります。ただ、女の子の場合、「周囲に合わせて自分も持っていたい」と考えているケースもあり、本当にその子のほしいものではないかもしれません。

 一方で、男の子は自分中心。「なんで、おまえ、そんな変なものがほしいの?」と言われることは平気なので、シールが入った10円のガムなど、大人が驚くようなものをリクエストしてきます。

 自分の子どもにとってなにがご褒美のツボなのか。そこを把握していれば、上手にモチベーションをアップしていくことができるでしょう。

 逆に、男の子がこういう無邪気な欲求を出さないようだとやっかいです。「頑張って、このテストでいい点取ったらなにしたい?」と聞いたときに、「寝ていたい」と答える子がたまにいますが、彼らは非常にスイッチが入りにくいのです。

 今、ビジネスの現場でも「出世したくない」「給料なんてほどほどでいい」という若者が増えていますが、それはまだ若くて健康だから言えること。ある程度は頑張っておかないと、後年苦労することは明らかでしょう。

 日頃から家庭でも、「頑張ったら○○が手に入る」という習慣づけをしておくことは意味があります。そして、そのときに「そんなつまらないもの」と決めつけないことが大事です。