最近の原油価格の急落とボラティリティー急上昇の背景には、コンピューター取引の役割が拡大しているということがありそうだ。原油相場急落の主因は地政学的緊張と景気減速への懸念にある。その一方で、アナリストやトレーダーは、値動きを荒くしているのは市場参加者の構成の変化にあると指摘する。需給状況を重視しているヘッジファンド、マーケットメーカー、銀行などの割合が縮小しているのだ。アークティック・ブルー・キャピタルの最高投資責任者(CIO)、ジャン・ジャック・デュオ氏は「市場のコンピューター化によって出来高と流動性が変わってきている」と指摘する。「1週間で起きていたことが1日で起きるようになっている」例えば11月13日には、シカゴ・オプション取引所の原油版VIX指数(OVX)が39%近く上昇し、1日の上昇幅としては2011年以来で最大となった。原油先物はその日、過去最長の12日連続安となった。11月20日には原油価格が7%近く急落して1年1カ月ぶりの安値をつけると、OVXは30%上昇した。