就活ルールの廃止は、
中小企業にとって本当に受難か
小宮コンサルタンツ代表
経団連は2021年春入社以降の新卒者を対象に、会社説明会や面接の解禁時期などを定めた就職活動のルールを策定しないことを決めました。将来的には新卒一括採用の見直しや通年の中途採用拡大が進むでしょう。
将来、就活ルールが見直されれば、中小企業は大企業と同じ土俵で採用活動を行うことになります。しかし、「それでは中小企業にいい人が来ない」と考えるのは間違いです。
話は少し離れますが、ピーター・ドラッカーは、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」(『マネジメント[エッセンシャル版]』ダイヤモンド社)と述べています。本当にいい商品、サービスを提供していれば、営業活動をしなくても、お客さまのほうから「買いたい」と連絡してくるというのです。
学生の採用も同じです。自社を磨き上げて魅力的な企業になっていれば、規模を問わずに学生のほうから入社したいとアプローチしてくるはずです。昔は情報が少なくて、優れた企業なのに学生の目に留まらないことはあったでしょうが、ネットが発達した今は、学生のほうから探し当てて来ます。