今年の米国経済は9年間にわたる景気拡大局面の中で――見方によっては数十年間の中で――最上の部類に入る年として終わることになる。失業率は11月の時点で3.7%と、49年ぶりの低水準にとどまった。7-9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比3%となった。今回の景気拡大局面でこれを上回った四半期は3回しかない。インフレ率は連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を長らく下回っていたが、目標に達しながらも行き過ぎてはいない。賃金上昇は加速し始めた。経済的に取り残されがちな多くの層も成長の恩恵にあずかった。11月の黒人の失業率は5月と並ぶ5.9%と、統計の始まった1972年以降で最も低い。7月の高校中退率5.1%は92年の統計開始以降で最も低かったが、11月には小幅に上昇した。