ドナルド・トランプ米大統領は19日、、世界を驚かせた。政権内の一部アドバイザーの意見を覆した格好だ。この決断は大統領選での公約の一つを実現することになり、多くの米国民には歓迎されるかもしれない。しかしトランプ氏は、自らの対イラン戦略と米国の利益に悪影響を及ぼしかねないオバマ的撤退のシグナルを送ることにもなった。トランプ大統領は、過激派組織「イスラム国(IS)」を打倒したと宣言するツイートの中でシリア撤退を明らかにした。トランプ氏はISについて「大統領任期中、シリアに(米軍が)駐留する唯一の理由だった」とした。任務は終了したのだろうか。そう簡単にはいかないだろう。有志連合によるIS掃討を加速させ、ISの地域支配者としての地位を失わせたことは、トランプ氏の功績として認めよう。しかし、ISは依然として、シリアとイラクの国境地帯で勢力を維持している。小規模な組織への再編を進めながら、軍事地図が塗り変わるのを待っているのだ。バラク・オバマ前大統領もまた、イラクから米軍を撤退させた際に、スンニ派武装組織に対する勝利を宣言。その空白状態の中でISが誕生したのだった。