このような意味では、「G7最下位は気にする話ではない」どころか、大いに気にすべきだ。というよりも、この期に及んでまだ現実から目をそらそうとするというのは、かなり深刻な「認知障害」だと認識すべきだ。

 これほど世にブラック企業やパワハラが溢れている中で、「生産性G7最下位」と聞けば、論理的に物事を考える人ならば、このような結論になる。

「これだけ労働者が血へどを吐きながら働いているのに生産性が低いということは、問題は労働者にあるのではなく、社会システムが狂っているからではないのか」

 だが、現実には、この狂った社会システムを維持するために、「外国人労働者」を大量に入れようなんて国策を推し進めていることからもわかるように、大半の日本人はシステムを「盲信」して、以下のような方向へ流れていく。

「これだけ労働者が血へどを吐きながら働いているのに生産性が低いということは、問題は労働者にあるのではなく、生産性の定義や調査が間違っているのではないか」

 要は、常に「自分たちは間違っていない」というところからスタートするので、「耳の痛い話」は「デマ」や「日本には当てはまらない」と素直に受け取れないのだ。

 よくコントや漫才で、都合の悪い話を聞きたくない時に、両耳を塞いで「あー、あー、まったく聞こえません」なんてやるのを見るが、こういう態度を「生産性」というものに関して、47年間も貫き通してきたのが日本なのだ。

生産性の低さを無視することは
日本を危機に陥れる

「生産性が低いなんてのは、欧米がつくった指標なんだから気にしなくていい」というような主張を耳にするたびに、こんな感じの話をどこかで聞いたなと考えていたのだが、最近それがいつかを思い出した。

 今年7月の西日本豪雨災害だ。

 情報番組などでも多く取り上げられたので覚えていると思うが、この時の水害では、避難指示を受けながらも自宅に留まった結果、凄まじい水が押し寄せて、2階や屋根に上がってレスキュー隊から救出されるという方がたくさんいらっしゃった。