世界銀行は7日、ジム・ヨン・キム総裁が2月1日付けで退任すると発表した。インフラ投資を専門とする会社に移籍するためと説明しているが、社名については明らかにしていない。任期まで3年近く残しての退任となる。キム総裁による突然の退任表明で、後任人事を巡り、トランプ政権と他国との間で争いが繰り広げられる可能性がある。世銀総裁はこれまで、米国が決めるのが通例となっているが、多くの国から、米国が人事権を牛耳っている現状を変えるよう求める声が上がっていた。キム氏は2012年に総裁に就任。2016年に再任命され、任期は2021年までとなっていた。米財務省は世銀の議決権の約16%を握る筆頭株主だ。スティーブン・ムニューシン米財務長官になってからの米財務省と世銀は、時に対立していたとされる。米財務省は中国への融資額が多すぎる、またスタッフへの報酬が高すぎるとして、世銀を批判していた。