米投資家は連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が発する一語一句に注目してきた。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁もそうだろう。人民元相場にとって2018年は厳しい一年だったが、19年の幕開けはむしろ好調だ。12月上旬から約3%上昇し、今月11日には一日で0.6%上昇。1ドル=6.75元をつけた。米中貿易交渉で中国の劉鶴副首相(経済担当)が今月末にワシントンを訪問する予定となり、緊張が和らぐ兆しがみられることも元の押し上げ要因となった。元相場の真の変動要因はしかし、ホワイトハウスではなく、恐らくFRBだ。2016年を振り返れば、中国経済は大量の資本流出とデフォルト(債務不履行)増加の圧力にさらされる中、FRBが同年の大半で利上げを見送る決断を下したことが大きな追い風となった。中国、そして元には、19年もまた幸運が訪れるかに見え始めている。
幸運に恵まれる人民元、19年も滑り出し好調
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