中国の輸出はこの冬、苦戦している。だが今月14日までは、世界の成長減速より米国との貿易摩擦が大きな原因だという証拠はあまりなかった。ここへ来て、その証拠が明らかになった。中国の対米輸出は12月、前年同月比で3.5%減となった。欧州の成長は急減速する一方、大半の指標は米景気が依然として堅調なことを示しているにもかかわらず、欧州向け輸出より大きく悪化した格好だ。中国の輸出は全体で4.4%減少した。極めて軟調な12月の統計は、中国にとって貿易摩擦がついに弁慶の泣き所に痛みを及ぼし始めたことを示している。小売売上高は低調で、輸出の原動力である広東省では先日、購買担当者指数(PMI)が謎の発表停止となったうえ、地方政府が雇用に影響しかねない税制変更を先送りしているとの報道もあり、いずれも中国の労働市場が圧迫されつつあることを示唆している。
米中貿易摩擦、中国への打撃が鮮明に
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