アマゾンとマイクロソフトPhoto:iStock/gettyimages/Ken Fukasawa

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトはクラウド事業の急成長を維持できるだろうか。この新たな疑問には1兆6000億ドル(約173兆円)がかかっている。

 両社の時価総額は今や世界最大級で、最近、アマゾンがマイクロソフトから首位を奪った。約8000億ドルというそれぞれの時価総額を見ると、投資家が両社にかなりの資金を投じていることが分かる。昨年、アマゾン株は29%近い急騰を示し、マイクロソフト株も約17%上昇した。こうした上昇率は他のハイテク大手のほとんどを大きく上回った。3カ月前と比べると時価総額が1兆ドル以上も目減りしたアップルの株価はこの12カ月間で13%下落している。

 莫大な時価総額の背景には、第4四半期と2018年通年の決算発表シーズンへの大きな期待がある。アップル、フェイスブック、グーグルの親会社であるアルファベットを含むハイテク大手の多くではコストの増加が売上高の増加を上回っており、利益に下押し圧力がかかっている。調査会社S&PキャピタルIQのデータ分析によると、そうした状況もあって10-12月期の決算発表を予定しているS&P500種指数のハイテク企業の58%には売上高成長を下回る利益成長が予想されているという。

 ところが、アマゾンとマイクロソフトにはその逆が予想されている。アマゾンの第4四半期の売上高と営業利益は前年同期比でそれぞれ19%増、74%増になると見込まれている。マイクロソフトの第4四半期の売上高と営業利益は前年同期比でそれぞれ13%増、18%増になるとみられている。ウォール街は現在、1-3月期についても同様のパターンを予想している。

 この両社はまったく異なる企業だが、両社の成長エンジンとなっている事業は共通している。アマゾンとマイクロソフトはいま、法人顧客がデータやソフトにアクセスするのに利用するパブリッククラウドサービスの最大手プロバイダーである。両社合わせると、500億ドル近いその事業の年間売上高は2020年末までに2倍に増加するとみられている。クラウド事業は両社の利益幅も拡大している。アマゾンでは過去12カ月間の売上高の11%しか占めていないクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」が同期間の営業利益の60%を占めている。

 クラウド事業の勢いを持続することが、両社の莫大な時価総額が支えられるかどうかの鍵となりそうだ。今のところは何の問題はない。今年の法人向けクラウドサービスの需要は堅調を維持すると見込まれている。米金融大手ゴールドマン・サックス・グループが先月実施した調査では、企業の最高情報責任者(CIO)が今年、より多くのコンピューター作業をアマゾンのAWSやマイクロソフトの「アジュール」といったパブリッククラウドサービスに移管するつもりであることが分かった。今年は企業によるハイテク全般への設備投資が減少すると予想されているにもかかわらずである。クラウド事業の成長に投資することは、その賭けが1兆6000億ドルに膨らんでいたとしても、まだかなり安全と言えるだろう。

(The Wall Street Journal/Dan Gallagher)