マイク・ポンペオ米国務長官の中東歴訪が終わり、トランプ政権の中東地域での戦略が見えてきた。バラク・オバマ前大統領と同様に、ドナルド・トランプ大統領も、安定を促進しながら、米国の関与を減らすことを望んでいる。しかし両者の戦略は異なっている。オバマ氏は、イランとの和解が米国の関与を減らすための最善策になると期待していた。これとは対照的にトランプ氏は、米国が手を引く状況下で、安定した安全保障の枠組みを提供し、イランの影響力を相殺するために、地域の同盟諸国による連合(たとえそれが完璧からはほど遠いものであろうと)の形成を目指している。オバマ政権もトランプ政権も、中東でのプレゼンスを減らし、人権問題を巡る大いなる目標からの後退を図ることで、米国の政治の大きな変化に対応してきた。中東における米国の軍事行動と民主化促進策への一般国民の支持は崩壊したも同然だ。その理由は2つある。第1の理由は、何十年にもわたった中東への関与が、安定も民主主義ももたらさなかったということだ。第2の理由は、中東のエネルギー資源に対する米国の依存度の後退に伴い、多くの有権者が中東を優先する理由が薄れたと考えていることだ。専門家らは、こうした反応は近視眼的だと主張するかもしれない。しかし、政治家はこれらを考慮せざるを得ない。
【オピニオン】トランプ氏の中東戦略、前政権より妥当
ネコの群れをまとめるような統制困難なビジネス
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