年金は、「老後にもらうもの」というイメージが強いのではないだろうか。だが、公的な年金制度は、人の「老病死」による経済的リスクをカバーできる設計になっており、老後にもらう「老齢年金」のほかに、「遺族年金」「障害年金」という保障も備わっている。
この3つの保障のなかで、病気やケガをして障害が残った場合に給付を受けられるのが障害年金で、健康保険と同様に疾病による経済的リスクをカバーできる重要な保障となっている。
障害年金は、事故や病気で手足を切断したり、失明したりするなど、身体に重い障害が残った人しか対象にならないと思われがちだが、実は内臓疾患や精神疾患による障害も対象だ。
受給要件を満たせば、がんが原因で障害の状態にある人も対象になるが、そのことを知らない人は多い。とくに、知られていないのが、抗がん剤や放射線などの治療による副作用でも給付を受けられる可能性があるということだ。
「初診日」の年金加入先で
もらえる障害年金が変わる
前述したように、障害年金は公的な年金保険の3つの保障のひとつで、病気やケガが原因で一定の障害が残り、生活や仕事が制限される場合に支給される年金だ。
もらえる年金は、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があり、障害の程度に応じて、次の表のように給付額が決まっている。