マンハッタンPhoto:PIXTA

 2018年の中国による米商業不動産の純購入額は、2012年以来の低水準に落ち込んだ。これは中国政府が経済成長の鈍化を背景に、自国投資家に国内への資金還流の圧力をかけ続けているためだ。

 調査会社リアル・キャピタル・アナリティクスによると、2018年第4四半期には、保険会社、多国籍企業、その他の中国本土を基盤とする投資家らの米商業不動産売買は8億5400万ドル(約930億円)の売り越しとなった。中国投資家の米不動産の売り越しは3四半期連続。これほど長期にわたって中国投資家が売り越したのは、これが初めてだ。

 2018年の傾向は、それ以前の5年間からの著しい逆転と言える。中国の投資家らはそれまで猛烈な買いあさりを見せ、米国の象徴的不動産の買い付けで、しばしば競争相手を易々と打ち負かしていた。ニューヨークのウォルドーフ・アストリアのような高級ホテルやシカゴの超高層ビル開発事業、カリフォルニア州ビバリーヒルズの豪華な住宅開発プロジェクトなどに数百億ドルもの資金を投じていたのだ。

 現在、海外不動産を投資対象とする中国大手投資家の多くは、こうした戦利品のような不動産について、一部を売却するか、少なくとも新たな投資パートナーへの持ち分売却によってリスクを減らすなどの行動に出ている。