先週末のミュンヘン安全保障会議では、米国内の分断が明らかになった。同会議にはマイク・ペンス米副大統領のほか、ジョー・バイデン前副大統領ら米民主党員も参加し、今後何年にもわたり世界の枠組みを左右するだろう米欧関係について、対立するビジョンを提示した。ペンス氏と民主党員らはともに、世界の舞台で米国の指導力を維持する姿勢を示したが、その一方で、中国、ロシアなどライバルの大国の脅威下にある世界秩序を崩壊させようとしているとして互いの行動を非難した。ペンス氏は、毎年恒例のミュンヘン安全保障会議の場で、世界の首脳らを前に米トランプ政権の「米国第一」主義を強く擁護した。同会議の今年のテーマは「関係修復(ピッキングアップ・ザ・ピーシズ)」。これは、米国と欧州同盟諸国の相互関係が破綻したことで世界秩序が危機にひんしているとの、欧州諸国で広く共有されている認識を反映したものだ。