配車アプリの事業責任者に直撃 激戦を勝ち抜く秘策は?

 ライドシェアの話が取り沙汰されますが、米国などと異なり、日本でライドシェアをやる気は全くありません。タクシー事業者とは、運命共同体です。

 いまも、日本各地のタクシー事業者の方に直接会って話をしていますが、私たちの姿勢に対して前向きに評価してもらえていると思います。

 表層的な言葉を並べるよりも、行動で示す方が分かりやすい。これまで兵庫・淡路島や名古屋、大阪でタクシー配車の取り組みなどを行ってきましたが、こうした実績を基に、信頼を得ていきたいと思っています。

 グローバルにおける日本のプライオリティは相当高いです。

 例えば、昨年には米本社の最高経営責任者のダラ・コスロシャヒが来日した際に安倍晋三首相などと会談しましたし、同じく最高執行責任者も昨夏に来日しコミットメントについて発表しました。それ以外の複数の幹部が来日していますし、国内チームの増強も図っています。

 あくまで、ローカルのルールに合わせながら成長を目指す。これは教訓として学んだことでもあります。日本は、将来的な市場の有望性の割に過少投資でしたので、まだまだできることはあります。

 ウーバーは、世界600以上の都市で展開しており、そうした技術の蓄積やリソースは、日本でのタクシー配車にも応用できる大きな強み。また、東京でもともとハイヤーの配車を行ってきたノウハウもあります。

 シンプルで洗練されたインターフェースによって、利用者に高いレベルの体験を提供できていますし、相互レーティングの機能によって、乗務員に良質な労働環境で働いてもらうことができます。

 いずれにせよ、重要なのは、幅広く時間をかけて成長させること。あくまでロングタームビジネスとしてじっくり取り組みます。(談)

Photo by Kazutoshi Sumitomo