中国の短期金利はあまりに低く、株式市場のバブル再来をあおるかのようだ。一方で、政府の債券発行が急増し、長期金利は高過ぎる水準にある。こうした中で民間部門の借り入れは低調だ。解決策はあるのだろうか。2009年に似たような状況に直面した米連邦準備制度理事会(FRB)は、借り入れ条件を緩和するため長期国債の大量買い入れに動いた。いわゆる量的緩和(QE)だ。中国人民銀行(中央銀行)は同様の措置は不要だと主張するものの、国内メディアはそうした措置が検討されていると報じている。人民銀が措置を実施するか、その手法はどのようなものかといった問題は、市場にとって向こう1年の大きな取引材料となる。人民銀はFRBが09年に実施したように、指標の翌日物金利をゼロ近辺にしようと取り組んでいるわけではない。それでも中国の株式相場は過熱気味で、ここ1カ月で20%も上昇している。短期金利の低下は株式市場のバブル抑制をさらに難しくし、人民元相場の下押し圧力ともなる。折しも米国は元安誘導の兆しに目を光らせている。
「中国版QE」は登場するか
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