ドナルド・トランプ米大統領は、国際貿易に関し、従来と異なる手法をとってきた。彼は同盟諸国と結んだ既存の合意を批判し、敵対国のみならず友好国からの鉄鋼、アルミニウム輸入にも追加関税を課した。そして、世界第2位の経済大国である中国と貿易紛争を激化させた。計画通りなのか幸運によるものかは分からないが、トランプ氏の強硬な交渉姿勢と直接的行動は、自由貿易の理念を前進させる一連の機会を提供した点において、結果として前任者たちを上回る成果を上げてきた。トランプ氏は、その保護主義的姿勢と関税依存に見える政策にもかかわらず、国際貿易の重要性を繰り返し強調してきた。彼は、2017年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で「公正さと互恵に基づく力強い通商関係」を提唱した。彼は昨年スイスのダボスで、世界のリーダーらに対し「繁栄を広く共有し、ルールに従って行動する国々に報いるための国際貿易システムの改革」を支援するよう求めた。