――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、就任から一年足らずで、最初の正念場を迎えている。  FRBに対しては、昨年12月の利上げ以降、エコノミストや市場関係者から、行きすぎとの批判が高まった。ドナルド・トランプ米大統領からFRB理事候補に指名されたスティーブン・ムーア氏もその輪に加わった。  債券市場では、リセッション(景気後退)の前兆とされる長短金利の逆転(逆イールド)現象が発生。フェデラルファンド(FF)金利先物市場はFRBが年内に利下げする可能性を織り込んでいる。