見よ、空から降る石はるか遠い大きな赤い岩より来た生命の痕跡探してこれを言い換えると、英グラスゴー大学の大学院生、エイン・オブライアンさんの論文のタイトル「火星の隕石(いんせき)に含まれる有機体の成熟度に対する衝撃およびラマンレーザー照射の影響」になる。このままだと舌をかみそうなため、オブライアンさんは俳句形式で、間近に迫った研究発表の内容を言い表した。米テキサス州ヒューストンで開催される世界最大級の天文会議「月惑星科学会議」では、研究論文の要約を1文にまとめて提出しなければならない。これを「詩」にする研究者が増え、今年は過去最高の335作品が提出された。オブライアンさんもその1人だ。詩の大半は17音節の俳句で、一部の作者はこれを「sciku(サイク)」(=サイエンスと俳句の混成語)と呼ぶ。