米政府が自国の航空・防衛大手ボーイングに違法な補助を提供したとされる問題で、世界貿易機関(WTO)は28日、欧州連合(EU)に有利な判断を下した。EUは大規模な報復関税の発動に一歩近づいた。WTOは、米国が先の判断に準じて「737ドリームライナー」など航空機の製造についてボーイングに与えた違法な補助を全ては取り消さなかったと指摘。ボーイングの主要な航空機製造拠点であるワシントン州の税優遇措置が違法だとした以前の判断をあらためて強調した。さらに、WTOが既に補助金に当たると指摘した輸出税の恩恵を、同社が依然として受けていると述べた。EUが米国の財・サービスに科せる報復関税の水準は、ボーイングへの補助の程度ではなく、欧州の同業エアバス・グループが被った打撃の度合いによる。双方は報復関税を巡りWTOの前で議論する見通しだ。
WTO、今度はEUに有利な判断 米ボーイング補助問題
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