米国の高校生活を描いた1982年の青春映画「初体験/リッジモント・ハイ」では、主人公の高校生ジェフ・スピコリが無断欠席はランチタイムの行列のせいだと言い訳をしていた。今の時代なら、ジェフは宅配サービスの配達員とおしゃべりに興じて授業に遅れていたことだろう。料理宅配アプリを手掛ける各社は大学キャンパスへの配達を優先している。若い顧客を取り込めば、将来的に固定客になってくれるとの期待からだ。今では高校生でさえランチの行列に並ばずに済み、カフェテリアに行く必要すらないようだ。サンフランシスコ・ベイエリアでは、高校生が「ドアダッシュ」や「ウーバーイーツ」といった料理宅配サービスを頻繁に利用し、学校側と一騒動を起こしている。あまりの人気ぶりに、学校の事務局から保護者に対し、「子どもに校外の宅配サービスを使わせるのではなく、ランチを持たせるか昔ながらに昼食代を渡すように」との控え目な提案とはとても言えない調子のメールが送られてくるという。抜け目なく注文する生徒たちに、校内放送で叱責(しっせき)の声が飛ぶこともあるようだ。
米高校生も「ドアダッシュ」、校内宅配で一騒動
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