大学や職場に設けられた「セーフ・スペース(安全な場所)」は、大人が何か難しい状況を避けるために身を隠し、子供のようにすねる場所だと冷笑されることも多い。だが女性は実際にセーフ・スペースを必要としている。もちろん知的な難題を避けるためではなく、男性から受ける身体的被害の脅威から逃れるためだ。生物学上、大抵の女性は身体能力では男性にかなわない。男性は女性より力が強く、スピードがある。逆に女性は痛みへの耐性に優れ、長生きする傾向がある。下院民主党が3月に提出した法案は、女性のセーフ・スペースを法的に禁止するものだ。この「平等法(Equality Act)」――寛大な言い方をすれば、民主党お得意のブランド戦略による名称――の趣旨は、1964年公民権法の保護対象を同性愛者やトランスジェンダーに拡大することにある。同法案は性的指向を理由に不動産オーナーがテナントを退去させたり、雇用主が従業員を解雇したりするのを禁止するものだ。その限りにおいては、もっと早く実施すべきだったことは間違いない。
【寄稿】トランスジェンダー闘争、女性が犠牲者
トイレやロッカー、DVシェルターで女性を危険にさらす平等法案
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