欧州連合(EU)は10日に首脳会議を開き、テリーザ・メイ英首相が離脱案を議会可決に持ち込めるよう、再び離脱期限の延期を認める見通しだ。メイ氏は9日、定例閣議をキャンセルし、アンゲラ・メルケル独首相、エマニュエル・マクロン仏大統領とそれぞれ会談するため、独仏を相次ぎ訪問した。メイ氏はこれまで、離脱期限を6月30日まで延期するよう要請する意向を示している。EUが延期を認めなければ、英国は12日にも「合意なし」での離脱を余儀なくされる。そうなれば、英国や一部のEU諸国に甚大な経済的打撃を与えるとみられている。メイ氏の離脱案は、離脱による影響を緩和することを目指している。離脱案は2つの要素で構成され、一つは離脱に伴うEUへの支払いや経済関係を少なくとも2020年末まで現状維持とする移行期間など、離脱の条件を定めた法的拘束力のある合意。もう一つは、将来の関係を描いた政治宣言で、こちらは法的拘束力を伴わない。