厳しい条件が求められる建機の遠隔操作は、NTTドコモがコマツと、KDDIが大林組と、ソフトバンクが大成建設と、それぞれ手を組んで実証実験に乗り出しており、通信キャリア3社がそろって参入している分野だ。
建設現場の人手不足という社会的な課題もさることながら、「技術的に5Gが持つ特長を最も生かしやすい」(KDDIの松永彰モバイル技術本部シニアディレクター)という理由もありそうだ。
パワーショベルの正面に設置する4Kカメラで高精細画像を送るという大容量だけでなく、低遅延という5Gならではの特長があって初めて実現する。公道や法規制に左右される自動運転や人の命が懸かった遠隔医療よりもはるかに実用化が近く、5Gの産業分野への応用事例として最も期待が高まる分野だ。
また、KDDIと大林組が2018年12月に行った実証実験は、工事現場における「土砂災害」を想定。災害復旧工事での建機の遠隔操作は東日本大震災や熊本地震でも行った例があるが、Wi-Fiを使っていたためスピードに限界があり、伝送する映像の質も悪く操作性に欠けていた。
今後の5Gの活用で「災害復旧」は重要なテーマになるが、特に緊急を要する災害復旧現場で必要な作業員が確保できるとは限らず、12月の実験では、1人で2台を連携させて操作するテストも行われた。実験と検証は進んでおり、工事現場が完全無人化するのはそう遠い未来ではなさそうだ。
いずれ建設機械は、イメージセンサーを搭載したロボットになり、周辺情報を自ら収集してクラウドのAIで自立する。そこに向けても5Gが支えることになる。
インテルが後押し
レジ無しコンビニ
スマートフォンのQRコードをかざして入店。棚から商品を手に取って外に出ると、レジを通らなくても決済が完了する──。