5Gビジネスバトル/製造・自動車・建設・小売編インテル版の「アマゾン・ゴー」が登場 Photo by H.O.

18年に小売業界の話題をさらった、米アマゾンのレジ無しコンビニ「アマゾン・ゴー」。その店舗とそっくりな光景が、MWCの会場の一角で繰り広げられていた。出展したのは、米半導体大手インテルである。

 ブースの担当者によれば、天井に取り付けた4台のビデオカメラとセンサーで、利用客の動きを把握。画像認識やAIの機械学習などの部分に、インテルの技術や半導体が使われているという。

 実際に記者も試してみた。商品を手に取って棚に戻すことを繰り返したり、こっそりポケットに入れたりしても、店から出ると数秒で、持ち出した商品だけがきちんとスマホの画面に表示された。商品にICタグのようなものは付いていなかった。

 「5Gを使うことで高精細なカメラの映像を送信でき、リアルタイムで利用者の動きを追跡できる。機材もシンプルになり、店舗設営が簡単」と担当者は説明する。

 このインテルのシステムは、中国のベンチャー企業、云拿科技(クラウドピック)が利用しているといい、すでに北京や上海など中国で30店を展開。年内に300店まで増やす計画だという。

 日本では人手不足問題でコンビニの24時間営業が見直され始めている。5Gの普及に伴い、こうした無人店舗が一気に広がる可能性は高い。5Gは店の姿を一変させる破壊力を秘めているのだ。