イラン当局は経済の混乱を鎮めるための新たな標的を定めた。食肉市場を操る連中だ。イラン暦の新年を祝った4月5日までの2週間、イランの人々は食卓を飾るのに以前よりずっとお金が掛かることを実感した。イラン中央銀行によると、仔牛(こうし)肉や牛肉は昨年に比べ67%も値上がりした。羊肉は52%、鶏肉も63%値上がりしたという。靴屋を営むアリ・モシュタギ氏(38)は、「すさまじいインフレになった去年から、肉なんていう贅沢品は買えなくなった」とこぼす。「お客も呼べない。まともな料理が出せないから」食肉市場の危機はイラン人の胃袋という、おそらく最も痛いところを突いている。イランでは昨年初め、景気への不満から抗議行動が広がった。イラン政府はそうした事態の再発を避けるため、食料品価格の操作とみられる行為を取り締まっている。
イラン経済の窮状、庶民の胃袋も直撃
「インフレで肉なんていう贅沢品は買えなくなった」
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