ニューヨーク日本企業がグローバル人材獲得競争で負け始めている理由とは? Photo:PIXTA

日本企業が倍額でオファーしても
海外の優秀なグローバル人材が採れない

 昨年イタリアで開催された、ヨーロッパを基盤に大学で日本語と日本文化の教育活動をしている先生たちの学会に参加してきました。

 その先生たちの下には海外の大学で一生懸命に日本語を学んでいて、日本に行きたいという学生がたくさんいます。そこから日本語ができる優秀な新卒人材を発掘し、日本企業に紹介できないかというのが我々の目的でした。

 話を聞くと、中にはその国々のトップ水準の大学で学び、母国語に加え英語、日本語を流ちょうに話すトリリンガルの優秀な学生もいます。

 しかし、実際にマッチングを試みたところ、日本企業からの内定は出ましたが、結果として辞退されてしまいました。その理由は日本企業からの給与提示額が低く、国際競争に負けてしまったからです。

 日本企業の場合、平成30年の賃金構造基本統計調査によれば大卒初任給は20万6700円、大学院卒だと23万8700円です。ボーナスも合わせて年収300万円くらいの会社が多いと思います。

 ある地方の優良企業は、ヨーロッパ某国の優秀なエンジニア専攻の学生に対し年収320万円のオファーを出したのですが、辞退されました。当初は本人にも日本に行きたい気持ちはあったのですが、その後シンガポールの企業から600万円のオファーが出たのです。倍近い開きがあったら勝ち目はありません。