中国の民間企業は昨年終盤の厳しい状況を乗り越えて、ようやく見通しが改善したと考えていた。米トランプ政権がその浮かれ気分をはかなく終わらせようとしている。米国は10日、中国との貿易交渉の行き詰まりを背景に、同国から輸入する2000億ドル(約22兆円)相当の製品の関税を10%から25%に引き上げた。建前はさておき、近く何らかの合意が実現する可能性は十分にある。ただその間の中国経済への影響は大きいだろう。中国の雇用と経済成長の鍵は民間中小企業が握っている。これら事業者は3つの理由から、悲惨な状態で昨年を締めくくった。第一に、国有大企業に比べて貿易の影響をはるかに受けやすく、輸出急減による痛手を負ったことだ。大企業の業績も悪化したが、打撃ははるかに軽微だった。
米の関税引き上げ、中国株式会社に折あしく
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