米フェデラルファンド(FF)金利先物には足元、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に数回利下げに踏み切るとの見方が反映されている。だが経済指標は、こうした見方はあまりに極端であることを示唆している。いったいどちらが正しいのだろうか? それはその数字をどう解釈するのかに左右される。CME グループによると、FF金利先物は目下、米中通商摩擦の激化を受けて、2019年末までにFRBが2度利下げする確率を22%、3度の利下げの確率を5.8%それぞれ織り込んでいる。その確率は今年のほぼ最高水準だ。1カ月前はそれぞれ6.9%、0.7%だった。しかしながら、利下げ予想は堅調な経済指標とは矛盾する。指標では、労働市場は力強く推移し、インフレ期待は抑制されているものの急降下している訳ではなく、小幅な企業利益の伸びが景気拡大にむすびつくことを示している。FRBが前回利下げに踏み切ったのは2008年12月で、FRB当局者が世界恐慌以来の深刻な金融危機への対応を迫られ、金融市場が急落していた時期だ。
FRBの利下げは複数回に? 金利先物市場の裏事情
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