赤ちゃんなどが、ゆりかごで揺らされていたり、お母さんにだっこされてゆっくり揺らされていると眠りにつくのは、実はこうした脳のしくみと関係があったわけです。つまり、電車内は、一日の仕事を終えて帰宅途中の大人たちにとっての“ゆりかご”のようなもの。おまけに疲れていたり、アルコールが入っていたりすれば、ついうとうとしてしまうのは至極当然のことなのです。

 とはいえ、車内でぐっすり眠ってしまうのは、防犯上も、健康上も、あまり良いこととはいえません。ガムを噛むなど、自分なりの対策をとることをおすすめします。

“あの残念なクセ”が幸せホルモンを増やす!?

 打ち合わせや会議の途中、ふと相手の足元を見たとき、片足がリズミカルに動いているのに気がついて、ちょっと残念な気分になったことはありませんか。このような貧乏ゆすりは、昔から良くないクセや残念なクセとされ、子どもがやっていると大人は「みっともないからやめなさい」と叱ったものです。

 ところが、最近になって、貧乏ゆすりに意外な効果があることがわかってきました。実は、貧乏ゆすりをすると、“幸せホルモン”の異名を持つセロトニンの脳内分泌が増えるというのです。セロトニンとは、私たちの心に安らぎをもたらしたり、ノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質の作用をうまく制御したりしてくれる、非常に重要なホルモンのひとつ。ストレスがたまったり、睡眠不足や不規則な生活が続いてセロトニンの分泌が減ると、心身がリラックスできなくなり、気分がうつ的になったりします。

 では、どうすれば私たちはセロトニンを増やすことができるのでしょうか。有効なのは、リズム運動です。ウォーキングや音楽に合わせた軽い体操、ダンスなど、規則的なリズムを繰り返す運動をすると、セロトニンの分泌が高まることがわかっています。

 そこで、貧乏ゆすりです。足などを小刻みに揺らし続ける貧乏ゆすりをすることでも、こうしたリズム運動と同じような効果が期待できるといわれているのです。また、あえて説明するまでもなく、貧乏ゆすりにはイライラを鎮める効果もあるので、ストレス解消にも役立っていると考えられます。