日本にはもともと部品メーカーが多く、それらの企業が、今までつくってきたものを生かしてプラットフォーマーになる可能性は十分にあります。海外でプラットフォーマーとして成功した製造業の分かりやすい例として、インテルが挙げられます。インテルも、部品メーカーとしてスタートしていますが、周りに生態系ができ、プラットフォーマーとして大きな成長を遂げています。
日本のメーカーがこれまでプラットフォーマーとして成長できなかったのは、部品メーカーが完成品の先のユーザーを見ておらず、発注元だけを見ていたことが原因です。アマゾンは、自分たちでECサービスをやっていたので、ユーザーの多様化するニーズが見えていました。
サイバー(仮想空間)とフィジカル(現実空間)、ITとモノがつながれば、日本のメーカーにも可能性はあります。ただし今までと同じように「頼まれたものをつくります」という姿勢ではダメでしょう。最終的な製品、ユーザーや、その先にある事業価値というところを考えた上で、「部品であるプラットフォーム」をつくっていくことが大事です。
日本では今、政府が音頭を取って、高度な先進技術の導入によりサイバーとフィジカルを融合させ、「情報社会」に続く第5の社会「ソサエティ5.0」を目指す施策が進められています。そうしたコンディションの下、日本が強みを持ってきた製造業はフィジカルの面では分がある。日本企業が意識改革をし、ものづくりの仕方を変えていけば、十分チャンスがあります。
「オープンイノベーションごっこ」では
世界はとれない
前述したとおり、プラットフォームで成功するには、遠回りに見えてもサービスを垂直につくってから、水平展開したほうがいいでしょう。ただし、それには時間もかかりますし、投資も必要となります。